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 子どもを怒れば成績は上がる?   バックナンバー

明けましておめでとうございます。毎月のことながら拙い文を読んで頂き、心から感謝申し上げます。

さて、今回の「ひとりごと」は「子育てについて」です。わが子に期待するのは親心です。そのために小言が自然に口から出ます。「親だから言うのよ」「アンタのことを思っているから言うのよ」 保護者の最後の決め台詞でしょう?

 それでいて、保護者のほとんどと言っても良いくらい、「私は子どもにあまり言わない」「私は子どもに何もしていない」と思っています。おそらく、このコラムを読みながら「私のことではない!」と考えているでしょう?

 それは一面では事実です。保護者は言いたいことの十分の一しか言っていないのですから…。しかし、言われる生徒からみれば「うるさい親」「うざい親」と思っています。

 保護者の勤務する企業の上司、先輩はどうでしょうか?「口やかましく」「うざい」ことはないでしょうか?それでも上司、先輩は言いたいことの十分の一しか言っていないはずです。 いや、それ以下かもしれません。あなたが上司、先輩なら、大人同士なので、もっと言わないはずですから…。言う側と言われる側では、このように受け止め方が違うのです。

 今年の三月で、私も子どもたちと丸三十年接してきました。一期生は四十五歳にもなります。彼らはすでに、中学生、小学生のお子さんがいる年齢に達しています。(教え子のお子さんが何人も塾生にいます) 彼らも保護者に同じように「勉強しなさい!」と言われ続けて育ちました。

当時の彼らも「口やかましい親」と感じながら塾に通っていました。「立場変われ品変わる」のでしょうか?言われる側から、今度は「口やかましく」言う側になりました。歴史は繰り返す?

 中には成績が下がると怒る保護者もいます。なぜ、怒るのでしょうか?私には到底理解できません。怒れば成績が上がるのでしょうか?それなら激しく怒った方が効果的です。一回怒ると一点上がるのであれば、百回怒れば百点上がることになりますから?

 最悪なのは、子どもに体罰を加える保護者もいることです。体罰を加えて実力がアップするのでしょうか?これまた、私にはまったく理解不能です。虐待以外の何物でもありません。

 企業でも怒って業績が上がるなら、仕事中に怒鳴り散らす企業が発展する企業となり、体罰を加える企業の業績が伸びることになります。まさしくパワハラで違法行為です。

 これは逆効果でではないでしょうか?口うるさく言えば言うほど、虐待をやればやるほど、子どもたちは勉強嫌いになります。それだけで終わるならまだしも、保護者に対して憎しみの情さえ生みかねません。

 失礼を承知で言えば、それらは本当にお子さんのためでしょうか?「お宅の子どもは出来がいい」と言われたい保護者の期待通りではない子どもに、その怒りをぶつけているだけではないでしょうか?

 子どもたちはそれを敏感に感じます。ナイーブな子どもほど保護者の期待に添いたいと頑張りますが、限界を越えると体調不良に陥ったり、登校拒否に走ります。さらにそれが進行した場合は、マスコミをにぎわせる事件に発展することにもなりかねません。

 悲しい事実ですが、殺人事件の過半数が「身内」によるものです。もちろん、その原因は多様で、経済的な問題、病気の問題などが主でしょう。しかし、子育てもその理由の一つでしょう。「うちの子に限って…」の根拠は何もありません。そうであってほしい願望だけです。

 もうすぐ、受験のシーズンです。入試は合格する人もあれば、逆に落ちる人もいます。極めて当り前のことですが、あなたのお子さんが落ちる方に入らないとは限りません。たとえ受験で失敗しても、長い人生では十分取り返しは出来ます。失敗したからこそ良かった、という日が来ることさえあるのです。将来のことは誰にも分からないのです。

 毎年のことですが、受験シーズンを控えてしみじみと感じている昨今です。

2010年01月


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