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 修羅場ではその本性が出る!      バックナンバー

 「あなたの両親の仕事は?」-知人のお嬢さんの、就職面接での質問である。彼女はごく最近転職のための就職活動に励んでいた。ある企業での社長と思しき人物の質問がこれである。ハローワーク経由で1人の事務員募集に数十人もの人が応募したようだ。

 名前は出さないが、特別に大きな企業ではないが、一定以上の規模を有する企業で、それだけ人気が高いのだろう。それに自信を持ったのか、社長らしき人物は、彼女に説教を延々としたという。曰く「なぜ、前の会社を辞めたのか?」だけなら普通の質問だが、「甘い考えだ!あなたにそれほど能力があるのか!」を繰り返したという。

 そもそも親の職業は聞いてはならないはずである。両親の職業と本人の能力とは何の関係もない。一種の身元調査である。彼女は大学卒業のときも、就職面接で、両親の職業を聞かれたことがある。おそらく、その企業は両親の職業も合否の大きなウエイトを持っているのであろう

 彼女は、そのことをハローワークに伝えた。すると企業から「ほんの参考までに聞いただけです」と言い訳の電話があった。何の参考なのかは不明である。バレなければいいという感覚で聞いているのだろうか?

 労働の需給関係は崩れ、採用側が圧倒的に強い昨今、企業によっては「やりたい放題」である。就職難につけ込んで、言いたい放題、やりたい放題の企業が意外に多いのではないかと思われてならない。

 「(修羅場)特殊なときこそ、その本性が見える」-これが私の持論である。これらの企業は、社員が集まらなかった時期には、どのような対応をしていたのだろうか?私の勝手な想像では、180度異なる対応ではなかったのだろうか?社員として囲い込むために必死に媚をうっていたのではないだろうか、とさえ考えてしまうのだ。

 彼女の面白い話はそれに留まらない。ハローワークでは大勢の人たちが職を求めて殺到していたことは言うまでもないが、驚くべきことにハローワークの入り口近くで、スカウトしている企業があるようだ。保○関係の営業のスカウトだという。

 多額の生○保○に加入することが、あたかも「夫婦・親子の愛情」という風潮が社会にあった時代もある。しかし、厳しい景気が続く昨今、「保○のあり方」を見直す家庭が多くなった。その結果、保○の営業は厳しさを増している。

 そこで考えられたのが、営業社員のスカウトである。スカウトされた人は、彼らの身内・親戚に付き合いで保○に入ってもらう。スカウトされた人数が多ければ多いほど保○加入者が増えることになる。

 今や、飛び込みのセールスで保○に加入する人は少ない。そのために編み出された、新たな保○勧誘の方法と言えよう。ワラにでもすがりたい人の盲点をついた商法と言えなくもない。もちろん、非合法でもない。しかし、何となくクリーンな気持ちにはなれない。

 社会が厳しくなればなるほど企業はその本性を表す。彼女の家に何度も「事務職などとても厳しく就職は無理!」と何度も電話がかかってきた。そのしつこさにはウンザリしたという。就職が困難な時期に、必死にスカウトする企業には「何かある」。―逆にそう考えた方が正解かも知れない。

 「修羅場のときこそその本性を現す」-これは個人も企業も同じではないだろうか。

知人のお嬢さん?幸せなことに東証一部上場の企業に就職できた。皆さんもおそらく耳にしたことのある大企業である。その企業の面接は紳士的であったという。

2010年05月