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 相棒「ポコタン(シーズー犬)の思い出」  バックナンバー

 私には「かけがえのない相棒」がいた。シーズー犬のオスで、名前は「ポコ」。私は彼を「ポコタン」と呼び、家族は彼を「ポコちゃん」と呼んでいた。

 彼との出会いは約15年前にさかのぼる。ちょうど、前の相棒(シーズー犬のしんちゃん)が亡くなって一週間も経っていなかった。彼が亡くなってから、妻は彼の使っていた茶わん、彼の使っていた散歩用の紐を見ては涙し、写真を見ては泣いていた。

 その落ち込みようがひどかったので、私は彼に変わるワン君を買うためにペットショップに行った。私は本来、命を金で売買することには強い違和感を覚える。しかし、その考えを胸の奥にしまい込んでペットショップに行ったのである。

 このとき出会ったのが彼である。まるで私に「買って欲しい」と言わんばかりに、両足で立ってガラス越しに手招する仕草をしたのである。後で分かったことだが、彼のこの行為は奇跡に等しかった

 その日彼をおいて仕事に出たあと、妻が帰宅するととんでもないことが起こっていた。何と彼はマッサージ器の下に潜り込んで出てこない。妻が手を伸ばして捕まえようとすると、「う~」と噛みつきそうになったという。

 生まれて2か月しか経っていない子犬は、普通誰にでも喜んで遊んでもらいたがる。しかし、彼は極度の怖がりで人見知りが激しかった。それだけでなく、その後散歩していても人だけでなく他の犬も怖がった。

 寝るときは常に私と一緒だった。しかも私の顔の向いている方に顔のすぐ傍で寝た。寝返りを打つと彼は私の寝返りした方に急いで回った。その彼が亡くなって1年10カ月。彼は顎のガンで亡くなったのである。

 口から出血していてもかかりつけの動物医はガンとは分からなかった。不信感を抱いた私はセカンドオピニオンを頼った。そこでガンと判明したのである。そのときの日記にはこう書いてある。

 2015年7月4日
血液検査、レントゲン検査。医者から口の中の癌だと告げられる。レントゲン写真を見せながら、かなり溶けているとも言われる。癌の種類を見せながら説明されるも頭に入らず。「このままだと余命5ヶ月」「抗がん剤が効かないかもしれない」だけが強く残った。
抗がん剤と止血剤など3種を渡される。抗がん剤は直接手に触れないように、手袋をして飲ませるように指示される。人の手に直接触れるのが危険なほどの強い薬を飲ませるのかと思う何ともいえないほど気持ちが落ち込む。帰ってから缶詰の餌に混ぜて飲ませたのだが、抗がん剤を取り出すのに手が震えてなかなか取り出せず。それとは知らずポコたんは餌だと思い必死に欲しがる。

 そこから彼とガンとの戦いが始まった。抗がん剤を2週間与えたが、食欲がなくなるばかりで、むしろ抗がん剤が彼の命を縮めているように感じた。そのため抗がん剤を止めてガンと付き合いながら生きさせることを選択し、抗がん剤の代わりにビタミンCとリンパクトを与えた。これは大正解であった。

 その結果、余命5カ月が3年8カ月も生きることができた。しかも、2018年7月までの約3年間は健康な状態とほぼ同じの生活が続いた。少しずつガンが進行して、散歩の距離が短くなったのは3年2か月過ぎた頃で、食べ物を選り好みし始めたのは、さらにその1か月後であった。

 顎が少しずつ削られて行く感じで、歯がむき出しになっていった。そのためあの可愛かったポコタンの形相は見るべくもなくなった。食べ物を口にすると痛いのか、亡くなる1,2か月前からは少しでも食べさせるために、缶詰、スープ、魚の煮つけ、牛肉など考えられるものはすべて試した。

 しかし、体重6kgの彼が2月の終わりからは1日200g減ったり、100g増えたりを繰り返し4kgを切ってしまった。さらに亡くなる4,5日前には目も見えなくなり、小さな「ウッ」と鳴いて眠るように息を引き取った。

 亡くなった後もつい最近まで、彼の元気なころを思い出せなかった。亡くなる1,2か月前のエサを食べられなかったり、歩けなくなった状態ばかりを思い出す今になってやっと幼い時の彼、元気な時の彼を思い出させるようになった。

ペットロスは限りなく大きい。今でも「ポコタン」と独り言を1日に何度もつぶやく。私の心の中に占める彼の大きさを、今更ながら実感している。



2021年01月